0歳から1歳のアトピーの症状〜経験談
はじめに
私は生後4ヶ月でアトピーと診断された長男がいます。(ちなみにもう1人の子供がいますが、その子はアトピーと診断されていません)
出産して感じたのは、アトピーの子は他の赤ちゃんより一層肌が弱く、様々なトラブルが起きやすいということでした。
これから出産で子供がアトピーにならないか不安な方や、赤ちゃんのアトピーで悩んでいる方に、0歳でアトピーと診断された子は具体的にどんな症状が出ていて、どんな対応をしたか、私の息子の体験が1つの例として参考になればと思い、書きたいと思います。
新生児期の症状
生後4ヶ月でアトピーと診断された長男は、新生児の時から様々な症状が出ました。
〈主な症状〉
退院後すぐ:鼻が詰まる
生後2週目:乳児湿疹が出る
生後1ヶ月:乳児湿疹がひどくなる
最初の症状は退院後すぐ、鼻が詰まったこと。1歳になった時の血液検査でわかったことですが、息子はアレルギー検査で家のホコリやダニ、いわゆるハウスダストの数値が高く、退院後すぐに反応していたと考えられます。
鼻で息をしている赤ちゃんにとって鼻が詰まっている状態は本当に苦しそうで、慌てて鼻水の吸引機を買いました。
1歳過ぎ位まで息子は吸引機にお世話になったと記憶しています。(その後鼻炎が治ったわけではなく、処方された飲み薬で対応するようになりました。)
そして生後2週間目頃、この頃から次第に乳児湿疹が酷くなり始めます。
ニキビがみるみるうちに増え、ほっぺが真っ赤に。
痒いのか引っ掻くため、慌ててミトンを買いました。
どんどん増えた乳児湿疹は生後1ヶ月頃になると、ほっぺたや耳たぶから黄色い浸出液が出て、朝起きると洋服の襟元が黄色くなってしまうほどに悪化。
石鹸で湿疹部分も綺麗に洗っているのに、悪化していく一方だったので、生後1ヶ月で皮膚科を受診。
処方された塗り薬を朝晩毎日塗ると、幸いすぐ綺麗な肌に戻りました。
↑すぐきれいな肌になりました
生後3ヶ月頃の症状
乳児湿疹が綺麗に治った後、今度は頭を痒がり始めました。
頭皮はとても乾燥していて、大きなフケがたくさん出ました。
引っ掻かないように帽子をかぶせて寝かせていた時期もあります。
この頃は頭皮が乾燥しないように、保湿剤を頭にもつけたりしていました。
当然、保湿剤で髪がベタベタになります。。病院に行くと頭につけるローションタイプの保湿剤を処方してもらえるので、早く小児科を受診すれば良かったと後悔。
頭皮は引っ掻き傷にはローションタイプのステロイドをつけ、乾燥部分にはやはりローションタイプの保湿剤を朝晩毎日塗りました。
生後4ヶ月
〈主な症状〉
・全身に湿疹が広がる
〈症状への対応〉
・アトピーに力を入れている小児科を受診
・プロアクティブ療法を実践
・湿疹の原因解明のためパッチテストを受ける
生後4ヶ月になると、綺麗だった肌に少しずつ湿疹ができ、顔から体へ広がり始めました。
ステロイドを塗れば一時的に良くなるとは思いましたが、それではまた再発してしまう可能性があると思い、アトピーに力を入れていそうな小児科を調べて受診しました。ここで、息子はアトピーだと診断されます。
↑徐々に増えた湿疹
↑お腹や背中、身体中に赤い湿疹ができました
この時受診した小児科の先生はプロアクティブ療法を具体的に指導してくれ、そのお陰で少しずつ湿疹も減りました。
プロアクティブ療法について知らない方の為にどんな療法か簡単に書いておきます。
プロアクティブ療法とは
・ステップ1
湿疹の重症度に合わせたステロイドを塗り、
湿疹が治った後も患部にしばらく塗り続けて
湿疹を治し切る
・ステップ2
一日置きにステロイドを塗る日と
保湿剤だけ塗る日を設ける
・ステップ3
徐々に保湿剤だけの日を増やし、
ステロイドを塗る日の間隔を空け、
最終的にステロイドを卒業して
保湿剤だけで肌環境を維持できるよう
にする
※プロアクティブ療法を実践中も、湿疹が別の場所に出たら、その部分についてはステップ1からやるなど、適切なケアが必要となる為、必ずお医者さんの指導の元、行ってください。
これまではステロイドを塗って、治ったらすぐに辞めて、また湿疹が同じ所にでき、またステロイドを塗って治して・・・というサイクルで治療が行われていた時期もありました。
しかしこの方法だと、肌の下でまだ治りきっていない炎症部分がある為、湿疹が同じ場所に再発し、その結果、だらだらとステロイドを断続的に使い続けるようになってしまいます。
ステロイドを長期間使用することになると、副作用が出る可能性も高くなり、肌環境は悪循環に陥りやすくなります。
治ったと思ってもすぐ再発しないよう、しばらくステロイドを塗って治しきることが重要でした。
プロアクティブ療法で、数ヶ月程度の期間、ステロイドを塗り、その後は症状が出ても弱いステロイドで対応できる状態にしおくのと、
ステロイドを何となく恐いからすぐ辞めてしまって、また再発したら強いステロイドを塗ってを繰り返し、長い年月の間強いステロイドにお世話になるのとでは、
どちらの方が人生の中でステロイド使用量が多くなるのかを考えると、怖がらずにお医者さんの指示に従ってステロイドを使用した方が良いと思います。
また、全くステロイドを使用せずに湿疹が悪化した場合、その傷口に食べ物が付くことで食物アレルギーが発症したり、そもそも痒みが子供のストレスになったり、成長するのに欠かせない良質な睡眠時間が減ったり、親も看病に疲弊したりと、良いことがありません。
湿疹を早急に治す手段として、正しい使い方を守ってステロイドを使用することはアトピーの悪化を防ぐのにとても有効なので、必要な部分には使用すべきと思います。
先生から具体的には、
・傷が2〜3日で治っても5日間の間は信じて薬を塗り続ける
と言われ、その通りにすると、翌週の受診時には綺麗になり、プロアクティブ療法を続けていくと、次第に湿疹が減っていきました。
長男の湿疹が一番ひどかったのはこの生後4ヶ月の頃で、数年経った現在でもその頃程の湿疹は出ていません。
パッチテスト
アトピーで何が一番不安かといえば、湿疹の原因がよくわからないことだと思います。
アトピーの原因はそれぞれ個人の体質によって多岐に渡り、それゆえ治療が難しいです。
生後4ヶ月の息子に至っては、まだ母乳とミルクしか飲んでいないのに、一体何が原因なのか?
このまま同じ生活を続けていたら、また悪化してしまうと考え、アトピーの本を出したこともある先生がいる皮膚科を受診してみました。
そこで実施されたのが、日常的に肌に触れるもののパッチテストです。
その結果、息子は使用している洗剤やアトピー用の優しいと思っていた石鹸、普段使いのシャワーの水(水に含まれる残留塩素)まで反応していることがわかり、肌に触れるアイテムを一から見直しました。
詳細いついてはこちらの記事に書いています。
juugatuzakura.hatenablog.comこの見直しによって、悪化の芽を減らすことができました。
生後6ヶ月〜
〈おもな症状〉
・大豆アレルギーの発症
〈症状への対応〉
・小児アレルギー科の受診
生後半年を過ぎると、肌もすっかり綺麗になりましたが、離乳食が進むに連れ、大豆を食べると全身に湿疹が出ました。
発疹時の写真↓
気づいたのは、納豆を食べた時や豆腐を食べた後、30分から1時間後位に全身に湿疹が出来たことでした。
その後1時間くらいで湿疹は消えますが、二回程同じ症状が出た為、小児アレルギー科を受診しました。
血液検査の結果、大豆アレルギーの指標では6段階のうち4に該当する反応が出ており、保育園の給食は大豆を完全除去することになりました。
1歳
〈症状の経過〉
・湿疹は軽症のものができる程度
・大豆は完全除去
〈おもな対応〉
・小児アレルギー科で食物負荷テストを実施
・食べられる大豆の量を食べさせる
・他のアレルギーも血液検査
・ハウスダスト対策(ダニ対策)
食物負荷テスト
1歳を過ぎ、大豆アレルギーが恐かった為、小児アレルギー科で食物負荷テストをして、どれ位まで食べられるのか、確認しました。
テストは豆腐で行い、結果、20g程度食べられるようだったので、体調が良い時の食事に、あえて豆腐などの大豆製品を上限以下の量で取り入れて、少しずつ耐性をつけるようにしました。
食物負荷テストを受けた感想としては、かなりえぐいテストだった!です。
要は人体実験みたいなものです。
先生から決められた量の大豆(豆腐)を食べさせ、1時間反応がないかみて、反応がなければ更に量を増やして食べさせ、1時間また様子をみる、を繰り返し行います。
息子の場合湿疹が出る量を食べた後、処方された飲み薬が効かず急遽点滴対応となったので、親としてはかなり心配しました。
幸い点滴で湿疹が落ち着いたので良かったですが、点滴も効かない場合は入院が必要と説明されたので、本当に怖かったです。
お医者さんがいる場でないと、安易に自分で負荷テストを行ってしまったら、命に関わることもあるので、新しい物を食べさせるときは少量からを心がけようと、改めて思ったテストでした。
血液検査
追加の血液検査でハウスダストや花粉症も確認してもらい、息子はハウスダストのアレルギー値がとても高い結果が出ました。
恐らくハウスダストが原因で夜中に咳が出るようになってしまった為、布団のダニ対策や、処方された抗アレルギー薬を飲むなどで症状を緩和しました。
咳は放置していると喘息になってしまう可能性もあるので、現在でも注意して見守っています。
※蛇足ですが、ダニ対策はとてもしんどくなってしまったので現在はほどほどにしています。
まとめ
0歳から1歳の息子のアトピー症状は、初めての子育てだったこともあり、対応に四苦八苦しました。
その後の経過ですが、2歳の時は、大豆アレルギーがレベル4からレベル3となり、少しだけ改善しています。
また、肌も割と良い状態をキープできるようになり、少しずつ息子自身の体も強くなっているのを感じられます。
しかし、ハウスダストが多いような場所へ行くと、急に全身に湿疹が出たりすることもあるので、まだまだ注意が必要だと感じているところです。
2人目の子供はアトピーではないのですが、アトピーでない子を育ててみて、改めて息子の体質について思ったことがあります。
・アトピーの子はお腹が弱く、よく下痢をしていた気がする。
・BCGでは膿が酷くなった
・よく耳たぶが切れていた
・手足口病にかかると、湿疹が結構酷くなった
これらはアトピーではない子の方には無かったことだったので、アトピー体質が影響していたのではないかと思います。
またアトピーは成長とともに症状が変化するので、息子の成長とともに更新したいと思います。
息子の体験が、同じように子供のアトピーで悩んでいる方の少しでも参考になれば幸いです。